2021年、米国・ドイツ・フランス・オランダの4つの研究チームが、REM睡眠中の明晰夢を見ている人とリアルタイムで双方向コミュニケーションできることを報告した。

参加者は眠ったまま、研究者から出された簡単な計算問題やYES/NOの質問を理解し、あらかじめ決めておいた目の動きや顔の筋肉の収縮で答えた。

起きてから答えたのではない

重要なのは、起床後に夢を思い出して答えたのではないことだ。脳波、眼球運動、筋活動からREM睡眠中であることを確認した状態で、外から新しい質問を送り、その場で反応を記録した。

明晰夢が確認された状態で質問を送った試行は158回。そのうち正答は29回、誤答5回、判定が曖昧28回、反応なし96回だった。

つまり『寝ている人といつでも普通に会話できる』ほど簡単ではない。正答は一部の参加者、一部の試行で得られた。

外の声が夢の中へ入り込むこともある

起床後の報告では、外から聞かされた言葉がそのまま研究者の声として認識されるだけでなく、夢の中のラジオなど、進行中のストーリーへ組み込まれた例もあった。

一方、睡眠中に実際に記録されたやり取りと、起床後に本人が思い出した内容が食い違うケースもあった。夢を起床後の記憶だけで研究することの限界も見える。

夢は完全に閉じた世界ではない

少なくとも条件が整った明晰夢では、眠っている脳が外からの情報を一部処理し、ときには計算して返事までできる。

ただし、成功は特殊な状態と限られた試行で起きた。タイトルは短く言い切っているが、研究が示すのは『条件次第で双方向通信が成立する』ところまでだ。

SOURCE / 原典

この記事の出典

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  1. 論文Konkoly et al. — Real-time dialogue between experimenters and dreamers during REM sleep (Current Biology, 2021)