FIFAが変えたのは試合数より「並べ方」

2026年から男子サッカーの国際試合カレンダーが変わった。FIFAは従来9月と10月に分かれていた国際ウインドーを、9月末から10月初めの「16日間・最大4試合」の枠に統合した。

FIFAが2023年に承認した2025〜2030年の男子国際試合カレンダーでは、2026年から9月末〜10月初めに16日間・最大4試合のウインドーを設ける。3月、6月、11月は9日間・2試合のままだ。

ここで大事なのは、年間の代表戦を単純に増やす改定ではなく、従来9月と10月に分かれていた二つのウインドーを一つにまとめたことだ。構造上、クラブから代表へ移り、代表からクラブへ戻る切り替えの回数は減る。

Nations Leagueでは4試合が短期間に詰まる

UEFA Nations Leagueでは新しい枠の中で多くの代表が4試合を連続して行う。チーム全体ではローテーションできるが、主力選手単位で見ると、代表で何分出るか、その直前のクラブ戦で何分出たか、代表後にクラブ戦がいつ来るかで負荷は大きく変わる。

同じ「4試合」でも、全試合先発の選手と途中出場中心の選手では意味が違う。

二つのウインドーを一つにするメリット

代表招集が二度から一度になれば、移動・時差適応・クラブと代表の切り替えが繰り返される回数は減る。監督側も、数日だけ集合して解散するより、一つの長いブロックでトレーニングと4試合を設計できる。

特に戦術面では、代表チームはクラブより練習日数が少ない。長いウインドーは、最初の試合で出た課題を同じ集合期間内に修正して次へ進める利点がある。

ただし、これは「必ず選手の身体が楽になる」という意味ではない。移動回数の減少と、試合密度の上昇は別の変数だからだ。

FIFPROが問題にしているのは「総試合数」だけではない

国際プロサッカー選手会FIFPROは、近年の選手負荷について、試合数に加えて回復日数、連戦、長距離移動、オフシーズンの長さを追跡している。トップ層では持続的な週2試合の状態や、短い回復で試合を重ねるケースを問題視している。

重要なのは、代表ウインドー単独ではなく、クラブ大会の拡大と重なった年間総負荷を見ることだ。16日4試合制の評価も「4試合は多い・少ない」で終わらない。直前・直後のクラブ日程、出場時間、移動距離、睡眠、時差、ローテーションを合わせて見る必要がある。

FORWARD BASISの見方——日程は「試合数」ではなく「負荷の配置」で見る

同じ年間の試合数でも、2試合ずつ分散するのと4試合を一つのブロックへ集めるのでは、選手の負担の形が違う。移動は減るかもしれないが、短期の密度は上がる。

だから日程を評価するときは、少なくとも「年間試合数」「連戦間隔」「短い回復で行う試合数」「移動距離・時差」「完全休養日」「代表からクラブ復帰までの時間」を分けて見る方がいい。

新しい国際ウインドーが成功か失敗かは、2026年秋だけで断定できない。負荷は総量だけでなく、いつ・どこに集中するかで変わる。

SOURCE / 原典

この記事の出典

本文の事実確認に使用した原典です。FORWARD BASIS独自の解釈・整理は本文内で区別しています。

  1. 公式FIFA Council — Men’s International Match Calendar 2025-2030
  2. 公式FIFA — International Match Calendars
  3. 公式UEFA — 2026/27 UEFA Nations League: all you need to know
  4. 公式FIFPRO — Workload Monitoring and Calendar