恋愛では「少し冷たくした方が追われる」「好意は見せない方が価値が上がる」と言われることがある。心理学にも、この考えを後押しするように見える有名な研究がある。
2011年の実験では、大学生女性が男性のFacebookプロフィールを見て、その男性が自分を「かなり好き」「平均的に好き」「どちらか分からない」と伝えられた。最も惹かれたのは「どちらか分からない」条件だった。
ここだけ切り取れば、「好意を曖昧にすると相手は考え続け、好きになる」という物語になる。だが、この実験は実際に相手と会話したわけではなく、対象も大学生女性に限られていた。
気になると、好かれるは同じではない
2018年の6研究では、実際のオンライン会話や交際中カップルの日記データまで使って検証された。そこで、相手の恋愛意図が曖昧で、しかも自分への関心が低そうだと感じると、その相手の性的魅力は下がった。反対に、明確な関心表現は不確実性を下げ、魅力を高める方向に働いた。
研究者は、拒絶される可能性が高い相手へ深く投資しないために、欲求を抑える仕組みが働く可能性を論じている。
つまり曖昧さは、相手を夢中にさせる魔法ではない。「ここに進んで大丈夫なのか」という警戒も同時に生む。
FORWARD BASISの見方
恋愛で残したいのは、秘密そのものではなく「考える余地」と「拒絶されない安全」のバランスかもしれない。謎が少し残ることと、好意の存在まで隠すことは別だ。
好きバレは敗北ではない。少なくとも現在の研究から、「好意を隠すほど魅力が上がる」と一般化することはできない。
どこまで言えるか
明確な好意を示せば必ず関係が進む、という意味でもない。相手の意思、関係性、文脈は別にある。ここで扱うのは、不確実性そのものを恋愛テクニックとして万能視できないという点だ。
SOURCE / 原典
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